文書生活 : TEXT LIFE

文書のある生活

カブ110: サイドバッグサポートを付ける、ロングツーリングを夢見て

ロングツーリングには毎回フェリーを使う。フェリーの中で様々なバイクを目にするが、毎回目にするのは、カブ、ハーレーだ。ハーレーはツーリングバイクなので普通に感じるが、カブがいると「カブで北海道!?」「カブで九州!?」「カブで四国!?」と毎回刺激を受ける。フェリー内のカブは荷物満載で巨大なホムセン箱にサイドバッグを付けて、さながら行者のような雰囲気を漂わせて、孤高の存在のように思えてしまう。冷静に考えればフェリー内の全てのバイクが行者であり孤高の存在なんだけどね。

自分はロングツーリングにSR400号で行っている。北海道2回、四国2回、九州1回。そろそろビギナーの域を出ただろうか。今年もロングツーリングに行こうと考え中だ。その考えの中に「カブでロングツーリングはどうだろうか?」とボンヤリとカブが浮かびあがってくる。1回ぐらいはカブで行ってみたいよね。カブにはSR400号の安定感は無いが、カブの速度と小回りでしか見えない景色があるはずだ。

考えているだけでも何も始まらないので、冬の間にカブのロングツーリングを具体化して行こうと思っている。カブの積載量の拡充だ。もちろんSR400号にもロングツーリング強化のためにリアウィンカーを移設して大きなサイドバッグが着くようにした。今回はカブの話。

前置きが長くなったが、カブのロングツーリング対応のためサイドバッグサポートを付けることにした。スーパーカブ110 2022モデルはキャリアが黒パイプなので、黒パイプのサイドバッグサポートを付ける。今回はSP武川製のキャリアを左右に付ける。そこそこ高価だと思う。

今回はこの下の2つの箱に入ったサイドバッグサポートを付ける。上は前回取り付けたベトナムキャリア。

厳重に梱包を外したところ。左右両方に着けるので左右対称のパーツになる。

このサイドバッグサポートを付けるには、ホンダ純正のリアボックス、通称「鉄箱」を外す必要がある。外すにはこのボルト4本を外す。リアボックスはバイクに対して縦置きになり、右側にフタが開く。

今回はこの辺から、課題が山盛りになる。バイクパーツはマニュアル通りには取付出来ないんだよねえ。同一メーカーだとパーツの適合性とかチェックしているが、別メーカーのパーツとの適合性は組み合わせ無限大なのでチェックできない。

実はこのホンダ純正リアボックス「鉄箱」と武川のサイドバッグサポートは、そのままでは両方取付できない。リアボックスの固定ステーと、サイドバッグサポートのステーが干渉して両方付かない。ナンテコッタ。

上側のシルバーのボルトは武川のサイドバッグサポートのステーが付いている。下側に見えるシルバーの板状のパーツがリアボックスのステー。上側のシルバーのボルトとリアボックスのステーがぶつかってしまい、リアボックスのステーが入らないのだ。

どちらかを諦めるプランもあるが、それではロングツーリングに向けた積載能力が減ってしまう。ホンダ純正リアボックスを辞めても良いのだが、この鉄箱はとても気に入っている。なんとか両方付かないものか。

サイドバッグサポートのステーに干渉しないように、リアボックスのステーを配置できれば良いのだ。色々とステーをこねくり回しているうちに、ステーの方向を90度回してしまう案を考えた。現状は進行方向に対してリアボックスのステーは平行だが、これを垂直方向に変える。同時にリアボックスの向きも90度変える。いわゆる鉄箱の横置きだ。これならなんとか両方付きそう。

どちらにせよサイドバッグサポートを付けてから、鉄箱を付けることになるので、案は頭の片隅で考えつつ、作業を再開する。考えながらやっていたので写真を撮り忘れた。取付完了はこんな感じ。サイドバッグサポートは小さ目なので大きなサイドバッグは付かない。縦長のバッグになるだろう。マニュアルには5L程度とあった。それでも両側に着ければ荷物がかなり入る。

ここから鉄箱の横置き設置の作業が始まる。鉄箱の底には元々取付穴が空いているが、この穴は使えないので新しく穴を開けることになる。キャリアの上に鉄箱を置いて色々と調整しながら位置を決めた。リアキャリアの後端まで鉄箱を下げて、シート後ろにスペースを作ることにした。今までは背中と鉄箱の位置がギリギリだったので背筋を伸ばして運転していた。これからは猫背で乗れるな(笑)

鉄箱の位置からステーの位置を決めて、再度鉄箱の位置を調整してボルト穴位置を決定。センタポンチを打っておく。

ここにボルト用の径6mmの穴があれば良いのだが、余裕を持たせて片側は10mmとした。たいてい位置がズレるから調整用の余裕だ。この鉄箱の鉄板がかなり丈夫なので穴あけは少々てこずった。機械油で冷却しながら開けた方が良い。

この穴の断面は鉄板むき出しなので、防錆剤を塗っておく。これは中に筆が入っているので使いやすい。タッチアップペンみたいな感じ。

防錆剤を塗って、今まで使っていたボルト穴を補修テープで塞いだ。茶色に見えるのが防錆剤。四角いテープが補修テープ。

写真は撮り忘れたが、今回は鉄箱の底面に滑り止めのゴムシートを3カ所に付けた。今までは鉄箱底面とリアキャリアが直接接触して滑りやすかった。余ったゴムシートを大き目に切って両面テープで鉄箱側に固定した。

鉄箱のステーの位置が下がったので、今までのボルトが使えなかった。急ぎホムセンにいって長いボルトを買い求めたり、防錆剤も買いに行ったりしたので、予想以上に時間がかったが完成。サイドバッグサポートもベトナムキャリアも浮かずに収まっていると思う。良い感じだ。

シートと鉄箱の間はこれだけ余裕が出来た。今まではギリギリまで寄っていた。少し試走してみたが、乗車姿勢はゆったりして非常に良い感じだ。これは良い。

元々鉄箱はカブで集金に回る人用だったので、左側に降りてスグ鉄箱を開いて荷物など出して、鉄箱の上で伝票記入というスタイルだったと聞く。

鉄箱が横置きになったが、横幅が大きく広がった訳ではないので、ガレージへで場所を取ることも無かった。鉄箱は後ろから開ける形になったので、荷物を入れるときに後ろに回ることになったが、まあ車のトランクみたいなものなので慣れるだろう。

これでカブでロングツーリングも少し現実味を帯びてきたな。2泊のカブツーリングぐらいから始めたい。