文書生活 : TEXT LIFE

文書のある生活

SR400: K&Hのシートを取り付ける(追記)

ydf.hatenablog.com

先に結論を書いておくと「K&Hシートに取り付けるダンパー位置は調整する必要がある」ということです。

 

K&Hのシートに交換してから、シート取付に時間がかかっている。

新しいシートはこのネジ穴の位置が分かりにくいというか、出にくいというか、とにかく最初の取付には時間がかかった。シートを前方に入れすぎてもダメ。シートの左右位置も落ち着かない(アタリがついてない)。結局ガレージに寝転がって、シートのネジ穴を少し見ながら試行錯誤してなんとか固定した。

K&Hのシートで200kmほど走ったので、少しはアタリが出てシート取付が簡単になっただろうと思っていた。しかし、相変わらずシート取付には時間がかかっている。困るのは洗車の時で、バイク全体に水をかけてシャンプーして洗い流したらシートを外して乾かしながら、チェーン清掃を行っている。全て完了したらシートを取り付けるのだが時間がかかる。どうにもこうにも上手くいかない。

一応技術系の仕事をしてこともあって、技術的課題として「シート取付に時間がかかる」を解決することとし、その報告書を書いてみた。少し仕事モード。

課題設定

「シート取付に時間がかかる」の「時間がかかる」とは「純正シートの取付時間に対して、K&Hシートの取付時間が長い」ということ。解決すべき課題は「K&Hシート取付時間の短縮」である。

現状分析(作業工程)

シート取付時間が長いので、シート取付の作業工程を整理する。

[A] シートを前方のマウントにはめ込む

[A-1] シート裏に車検証とお守りの入った防水袋を取り付ける

[A-2] シート右側からマウントの位置合わせをする(バイク本体右側に予備ヒューズが出っ張っているので右側から合わせる)

[A-3] シートを前に押し出すようにして、マウントにはめ込む

[B] シート下部から左右のボルトで固定する

[B-1] サイドバッグサポートと共締めしながら、左右どちらかのボルトを下側からはめて締めこむ

[B-2] もう一方のボルトも同様に下側からはめて締めこむ

時間がかかっているのは工程[B-1][B-2]である。工程[A]は純正同様。工程[B-1][B-2]でボルトはサイドバックサポート、フレームを貫通してシートのダンパー(下図の銀色の金属パーツ)のネジ穴で締めこむ。このネジ穴にボルトが入らなくて時間がかかっている。現状ではボルトのネジ穴の位置を調整するためにシートをずらしていた。しかしシートをずらすと左右のネジ穴の位置が同時に動くため、同時に左右のネジ穴の位置が合わず時間がかかっていた。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/y/ydf/20240420/20240420133633.jpg

このダンパーは純正シートから移植したパーツであり、純正シートでは問題なく利用されていた。

対策立案

対策1)ある程度距離を走り、パーツにアタリが出てネジ穴の位置が自動で調整される

パーツにアタリ(位置が自動で調整される)が出ることを期待して、実際に200kmほど走った。結果はNGでパーツにアタリが出ることは無かった。この対策1)は効果が無かった。

対策2)ダンパーのネジ穴の位置を調整(移動)させる

ダンパーを固定するボルトを緩めると、ある程度の遊び(位置の余裕)があることが分分かったので、ダンパーのネジ穴の位置調整はある程度可能であることが確認できた。シート裏からのぞき込むことで、ネジ穴とボルトの位置がある程度確認できることから、ネジ穴の調整方向もある程度決められることが分かった。

対策3)シートの取り外しを止める

一度付けたシートの取り外しを止めれば作業自体が発生しない。しかし毎年ロングツーリングに行く時には大型キャリアを取り付けるためにシートを外している。また、洗車時に乾かすためにシートを取り外している。したがってこの対策3)は実施は困難である。

対策4)ショップに対応を依頼する

K&Hのショップに行けば対応してただける可能性はある。K&Hのショップは遠いので工数がかかる。

よって、対策2)の実施を検討した。対策2)が失敗した場合には、対策4)の実施を代替案として検討する。

対策実施

対策2)ダンパーのネジ穴の位置を調整する、にあたって調整方向を決めることにした。まず左右どちらかのボルトを固定し、その上で反対側のネジ穴とボルト位置のズレを測定し、そのズレ量とズレ方向にダンパーを移動させることとした。

今回は右側のボルトを固定し、左側のネジ穴とボルト位置のズレを測定した。測定器具や測定治具は用いず目測で測定した。理由は測定場所が狭く測定器具が入らないためだ。するとズレのベクトルは下図の赤矢印ようになった。

この方向にダンパーを移動させた。移動量はダンパーの位置の余裕の分の全てとした(元々位置の余裕は数ミリと少なかったため)。

効果測定

ダンパーを移動させたシートを取り付けて作業時間を検証した。取付は右側のボルトから固定し、次に左側のボルトを固定した。右側のボルトは比較的簡単に締めることが出来た。もう一方の左側のボルトも比較的簡単に締めることが出来た。調整前と比べると格段に短縮され(時間計測はしていない)、純正シートと同じぐらいの作業時間でシート取付が出来るようになった。

まとめ

K&Hのシート取付の説明書にはダンパーの位置調整について言及が無いが、実際にK&Hのシートへダンパーを取り付ける時には、位置調整が必要であることが分かった。今後は旧Twitterへ投稿するなど、周知を促したい。