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SR400: AliexpressでSR400のブレーキ&クラッチレバーセットを買ってみた

新型コロナウイルスのまん延で緊急事態宣言が解除されないので、暇つぶしにAliExpressを眺めていると、とんでもなく楽しそうなオモチャや、日本では売ってない「こんなのあったの?」というような商品があったりする。しかしAliExpressなので品質は期待できないが、お値段が安いのでちょっとネタで買っても良いかなあと思ってしまう。

愛車SR400号は設計が古いので、ブレーキレバーもクラッチレバーも調整機能が無い。調整機能があるサードパーティ製のオプションも無い。元々SR400のエンジンはXT500がベースになっていると言われていて、クラッチはXT500のままだとか。なのでクラッチは決して軽い方ではなく、どちらかといえば重いほうだ。

最新のバイクは油圧クラッチだったりしてとても軽いらしい。羨ましいねえ。調整機能は無くとも、クラッチの引きが軽くなるクラッチレバーぐらいオプションで出せばいいのにねえ。唯一あるのはKITACOのショートリーチレバーぐらい。これは愛用しているがとても良いのでSR400オーナーに是非オススメしたい。

話をAliExpressに戻すと、AliExpressにはSR400のオプションが売っている。その中に調整機能付きブレーキ&クラッチレバーのセットがある。本当にSR400に対応しているの?大丈夫なのか?と疑問は尽きないがお値段が安いので買ってみることにした。まあ怪しいけどねえ。

AliExpressの納期は全く当てにならないので、気長に待っていたら忘れた頃に届いた。もちろんFrom Chinaだ。開封してみるとプチプチビニールに包まれて、一応、それっぽい雰囲気のが入っている。注文した商品が届いたっぽい。

まずはクラッチレバーから見てみる。

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上がSR400純正のクラッチレバーでアルミ製。下が届いたクラッチレバー。真ん中あたりにあるノブでハンドルとクラッチの隙間を調節可能。取り付け部分の形状は純正と良く似ていて、ノギスで計測すると誤差は0.5mmぐらい。ただし、クラッチワイヤーのタイコとレバーの軸穴の距離が純正より短い、2.5mmぐらい短い。ということは、クラッチの引きは重くなり、少ない操作でクラッチが切れるようになる、ということだ。これでは意味が無いなあ。

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可動部分のナットは緩み止めナットが使われているようで、おもったより品質は悪くない。転倒した時にレバーが折れないように折り曲げ機構がついているが、ここの動作も悪くない。レバーが短いので操作性が変わるかもしれないが、自分の場合にはクラッチレバーを引く時に指2本  or 3本なので、あんまり変わらないかな。

調節機能を動かしてハンドルとレバーの位置を最短にすると、KITACOショートリーチレバーと同じぐらいになる。だったらKITACOを使うよねえ。ちょっと残念。材質はスチールみたいで、純正品とくらべるとかなり重たい感じ。その分、カチッとした動作になるかもしれないが、まあ取り付けは止めたほうがいいだろう。

そしてブレーキレバーの方は

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基本的な構造はクラッチレバーと同じ。しかし、純正のブレーキレバーはブレーキシリンダーを押し込む箇所には調節ネジになっているが、このレバーには調節ネジ穴が無い。その代わり最初から調節ネジの分だけ突起が出ている。この突起の断面形状が四角なので、ブレーキシリンダーに入らない。ここの突起を削り落として穴を開けてネジを切れば使えるかもしれないが、そこまで作業する価値はなさそう。何故にネジ穴を付けなかったのかなあ。

しかし作りは悪くない。転倒時のレバーをたたむ機構もクリック感があって良く出来ている。工作精度も低くない。表面をよく見るとフライスで削ったような跡が残っている。NCフライスで一つずつ削り出ししたのかも。角の面取り処理もキレイだ。手間かかっているのかもしれない。もう少し頑張れば、バイクパーツの世界でシェア取れるかも。

お値段はショートリーチレバーの半額ぐらいなので、安いけど使い物にならないので無駄金だったなが、ちょっと中国製パーツの品質を見直す機会となった。工作技術は高いと思う。後はブランド力と品質保証だな。5年後に期待したい。