一般的にテクノロジーのライフサイクルはベル型の標準偏差のグラフによって示
され、その各段階でターゲットとすべき顧客として、イノベーター、アーリー・
アドプター、アーリー・マジョリティ、レイト・マジョリティ、ラガードといっ
た顧客セグメントが行なわれます。通常、この顧客セグメントによって、異なる
マーケティング施策を行いながら、徐々に新しいテクノロジーの顧客層を広げて
いくことが推奨されます。しかし、米のマーケティング・コンサルタントである
ジェフリー・ムーア氏が、同名の著書によって、明らかにしたのは、イノベーター
とアーリー・アドプターで構成される初期市場と、アーリー・マジョリティやレ
イト・マジョリティによって構成されるメジャー市場のあいだには、容易には越
えがたい「キャズム(深いミゾ)」あるということでした。顧客セグメントの違
いによって生み出される、このキャズムを超えなくては、新しい商品はメジャー
市場でブレイクすることなく、規模の小さな初期市場のなかでやがては消えてい
く運命となります。
当たり前のようだが皆がきちんと認識していない事象に、わかりやすい名前を付
けて啓蒙することは、とても簡単なようで難しい。それがマーケティングの本質
かもしれないが。マジョリティから見れば、この深い溝がオタと一般の境界線な
のだろう。マイノリティからはこの深い溝が見えにくいんだな。
- 作者: ジェフリー・ムーア,川又政治
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2002/01/23
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