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MAZDAのモータ不要のアイドリングストップ

エンジンでエンジンをかける、マツダの“脱アイドル”宣言:日経ビジネスオンライン

アイドリング時にエンジンストップして、再始動時にモーターを使わない(アイドリングストップ用の補助装置が不要)のがミソ。ピストンが停止した状態のシリンダ内に残っている燃料混合気に着火してピストンを動かして、エンジンを始動させるというもの。ポイントは1)再始動時に一旦エンジンを反対方向に回すこと、2)エンジンが停止するときに、絶妙の位置にピストンを停止させる制御、にありそうだ。

4気筒エンジンを例に説明する。止まった時に圧縮行程にあった気筒に、燃料をちょっとだけ噴射して火をつける。圧縮行程とは言っても、しばらく止めれば空気は抜けて、大気圧まで落ちている。圧縮しないのだから大した力は出ないのだが、それでもちょっとは回る。これが1発目の燃焼だ。

エンジン内部
1発目が赤,2発目が黄色,3発目が青

 1発目の燃焼によって、エンジンはいつもと逆方向に回る。写真でいうと赤く見える気筒が下がる。ピストンはクランク軸経由で全部つながっているから、止まった時に膨張行程にあったピストンを押し上げることになる。

 押し上げた力で、ここにあった空気を圧縮する。写真でいうと黄色の気筒だ。圧力はささやかなものだが、そこに火を付ければ1発目より大きな力が出る。2発目の回転方向は普段と同じ。これがセルモータの代わりになる。3発目以降は普通のアイドル回転をする。

 鐘をつく時、押すのでなくまず引っ張る。あれと同じように、まず逆回転させ、次にエイヤッとかけるわけだ。

これは画期的かもしれないなあ。実用化が待ち遠しいです。良い技術なので特許で独占せずに、あるいはライセンス料金を低く設定して、自動車産業全体に展開して欲しい。