文書生活 : TEXT LIFE

文書のある生活

さらばスペシャ号

思うところあって、スペシャ号を売りに出した。以前は自転車の買い取りなど無かったと思うのだが、最近は色々とあるようだ。ネットで暫定の査定見積もりをだしてくれる店も数店あり、暫定見積もりを複数とってみた。一番良さそうというか、真面目そうな店が自宅から車で30分ほどの所に新規開店するらしいので、その店に持ち込むことにした。ジャージなども買い取るらしいので、とっても大事なジャージ以外は出すことにした。出さなかったジャージはキヨシロージャージとセサミストリートジャージの2枚。このジャージは手放したくない。あとシューズも良いらしいので、出すことに。

午前中から3時過ぎまで、スペシャ号を徹底的に磨く。もう磨きすぎで腕が痛い。ピカピカになったところで、改めてスペシャ号を眺めると、やっぱカッコイイねえ。ちょっと手放すのが惜しくなる。スペシャ号はカッコだけではなくて、スピードもバンバンに出る。というかチンタラ走ることが許されない雰囲気があるんだな。ゆっくり走っていたらカッコワルイ。だが、最近体調も悪いし、身体も少々壊しているので、速く走るのがシンドクなってしまった。これ以上スペシャ号を自宅に軟禁しておくのも可哀想なので、手放した方が良いのだ。

スペシャ号とジャージ、取扱説明書、防犯登録の書類などを車に積んで店へ向かう。事前に電話で連絡してあったので、早速査定して頂く。その間に店内をブラブラ見学。そんなに広くないが、置いてある自転車は良い感じ。ビアンキの小径車、ノートン、DENTIなどCro-Moフレームの渋めのもある。こういうゆっくり走る自転車が欲しいなあ。ランドナーとかね。

店内には買い取りではなく買いに来ているご夫婦らしき二人連れがいた。男性の方が自転車を熱心に見ている。女性の方が「何か欲しい自転車あった?」と優しく尋ねると、「うん!僕とっても欲しい自転車見つけた!」と小学生のように応える男性。。。あれ?。。。ちょっと気になったので、その後も男性の言動を観察していると、どうやら甘えん坊さん、のようだ。「だって〜、僕はコッチが欲しいのぉ!」とのセリフもあり、まるで、赤ちゃんプレイですか?と聴きたくなってしまったが、どうやら真性の甘えん坊さんらしい。あまりの素晴らしいキャラにすっかり心奪われてしまった。スペシャ号の査定が終わった頃にご夫婦は店を出てしまった。ちょっと残念だ。

査定金額は暫定見積もりとほぼ同額。だが、ジャージの方が思ったより良い金額になった。開店記念ということで、ちょっと色を付けて頂いて、買い取って頂くことになった。買い取り金額は銀行振り込みか何かだと思っていたら、その場で現金で支払い。受け取ったお札の枚数を確認のため数えていたら、なんとなく虚しい気分になってしまった。お金ってなんだか夢が無い。

虚しい空虚な気持ちを引きずりつつ店を後にする。外は素晴らしい夕焼け。だがそれもなんだかもの悲しい。ちょっとダウナーなまま車を走らせる。なんだか寂しい気分だよなあ。。。と思っていたら、突然車のフロントガラスに雨蛙が一匹現れた。一体どこからどうやって現れたのか。その雨蛙の姿を見ていたら、ちょっと気持ちが軽くなった。次の瞬間、もう雨蛙はいなかった。どこかにJUMPしていったんだな。ありがとう雨蛙。見習います。