文書生活 : TEXT LIFE

文書のある生活

遺物を発掘 バンドの録音テープ

祝日に娘さんの部屋の片づけに付き合わされていた時に、押し入れの奥からカセットテープが数十本出てきた。すべて捨てたと思っていたが、娘さんの部屋に押し込んでいたのだな。カセットテープはそれ以上に沢山あったはずだが、今の家に引っ越した時にほとんど捨てたはず。残っているのはお気に入りと「貴重なテープ?」だった。お気に入りのアルバムはCDやMP3で買いなおしているのでその場で捨ててしまった。残ったのは「貴重なテープ?」が数本だけ。それは自分がやっていたバンドの演奏を録音したテープで、反省用に練習を録音したテープと、スタジオに入ってキチンと録音したテープ。後者のテープはバンドサークルや友人たちに配布したテープと、そのMIX DOWNしたマスターテープの2本だ。

配布したテープのレーベルは自分がEPSONワープロ(懐かしい)を駆使して作り、それをコピーした。何本作ったか記憶は無いが、数十本は作ったはずだ。そのレーベルを見ると録音したのは1989年9月。2日かけてスタジオで録音してMIX DOWNに1日。録音機材は4 track multi recorderを使ったはず。ドラムもバスドラ、スネア、タム、オーバーヘッドにマイクを立てて、ベースはDI、ギターはアンプにマイク立てて、ドラム/ベース/ギター(バッキング)/キーボードを一発録りして、後からギター(ソロ)、SAX、ボーカルを録音したような気がする。4trackなのに頑張ったな。エンジニアはサークルの先輩がやってくれて、自分も手伝った気がする。自分はサークルでPAも担当していたし、高校時代にPAの基礎をプロに習っていた(この話は後日)から。

このテープには2曲録音されている。どちらの曲も作詞作曲は私で、編曲の元ネタも私。当時は編曲の譜面を起こして簡単な打ち込みしたデモテープを作った気がする。それを元にバンドメンバーで編曲を直したはずだ。打ち込みのフレーズが人間には弾けないなどの理由で。

その4track multiで録音したデータをエンジニアを担当してくれた先輩のアパートでMIX DOWNした。要は音量のバランスを取るだけなんだけど、良く分からないので先輩にお任せしたような気がする。そのMIX DOWNしたマスターテープがこのSONYで一番高価だったメタルテープMA-XG。アルミ合金のフレームをアクリルで挟んだ豪華な作り。生涯でこれ1個だけだったな。

このテープの評判がどうだったか記憶が無い。今のようにネットも普及していないし、もちろんスマホSNSも無いので、反応が気軽に伝わってこない。パソコン通信のBBSとNetNewsはあったかな。自分たちとしては、当時の持てる力を出し切ったつもりだったな。

このテープが再生できるのか?は不明だったが、カビは生えていないようだったので、AmazonでPCに取り込めるカセットレコーダーを買ってきた。

SUPER USB CASETTE CAPTUREの名の通り、このカセットプレイヤーとPCをUSBで接続すると、カセットプレイヤーはPC側でAudio Deviceとして認識される。これに対応する音楽録音SWをDownloadしてinstallすると、カセットの内容がPCで録音できる。FLOAT32で録音できるところが素晴らしい。ただし、このカセットプレイヤーのボリューム設定がそのまま出力設定になるので要注意。ボリューム上げすぎると音が歪む。それでもFLOAT32のおかげなのか歪みの量は少な目。このSWでWAVファイルに落として、そこからCyberLinkのAudio Directorで曲部分を切り出してMP3に変換してみた。

当時は低音が弱くてドラムも貧弱に聴こえたが、改めて聴いてみると、レベルは低いがそれほど悪くは無い。もちろん最近のデジタル系の音ではなくアナログカセットテープの音なんだろうけどね。まあ思っていたほど悪くない感じだ。ただし、演奏の方がアラが目立つし、赤面ものだ。そして曲の出来栄えも褒められたものではない。編曲ももう少しやりようがあっただろう。なんの音楽知識も無い若造が勢いだけで録音した音だな。まあそれも悪くは無い。当時の雰囲気が記録されていることには価値があると思う。

このMP3ファイルを自宅のPCに保存しておいても、そのうちに消えてしまうだろうし、私が死んだら永久に失われてしまう。それもなんなのでネットに放流することにした。本来ならバンドメンバー及び関係者に了解とってから放流するべきなのだが、まあ34年も前の録音なので時効だろう。

MP3ファイルをネットに放流するやり方を調べてみると、一番ポピュラーなのがMP4(動画)に変換してYouTubeにUploadする、もう一つはSoundCloudというサービスにUploadする。後者は無料アカウントだと180minまで利用可能(データ量でなく時間で区切られているのが面白い)。YouTubeには後日対応するとして、SoundCloudにUpしてみた。それがこちら。

soundcloud.com

soundcloud.com

お恥ずかしい限りだが、埋もれさせてしまうよりもネットの放流した方が良い。どこかの誰かが聴いてくれれば良い。

追伸

SoundCloudのイイネボタンが押されていた。どこかに酔狂な人がいたもんだ(笑)。ありがとうございます。