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パンムンジョム宣言の中の具体策をピックアップ

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歴史的な出来事が起きた。あんまり政治的なことは書かないのだが、大きな出来事なので書いてみたい。良い/悪いではなく、事実を具体策を確認して、ムード/雰囲気に流されたくは無い。

 

この共同宣言に朝鮮の南北両首脳が署名したことは大きな出来事だろう。その内容は将来に向けて前向きだ。内容は大きく3つのことが書かれている。抽象度の高い努力目標的な文言も多いが、その中で具体策をピックアップしてみた。ここで言う具体策とはある程度、期日/納期がある施策、という意味です。

1.南と北は、南北関係の全面的で画期的な改善と発展を成し遂げ、途絶えた民族の血脈をつないで共同繁栄と自主統一の未来を早めていく。

 南北での交流を進めていきたい、という意志を確認したということだろう。具体策は、

[1]開城地域に双方の当局者が常駐する南北共同連絡事務所を設置

[2]2018/08/15から離散家族・親戚の再会を進める

[3]東海線/京義線鉄道と道路を連結する

[4]2018/06/15から民族共同行事を積極推進

[5]2018年アジア競技大会等の国際大会に共同で出場

 

 2.南と北は、朝鮮半島で先鋭化した軍事的緊張状態を緩和して、戦争の危険を実質的に解消するため、共同で努力していく。

現在休戦状態だが終戦に向けて動くということだろう。具体策は、

[1]2018/05/01から軍事境界で拡声器放送/ビラ散布を含むすべての敵対行為を中止

[2]黄海北方限界線一帯を平和水域にして、偶発的な軍事的衝突を防止

[3]5月中に将官級軍事会談を開催

 

3.南と北は、朝鮮半島の恒久的で強固な平和体制構築のために積極協力していく。 

ここがなんとなく抽象度の残る努力目標的な表現が多く、具体策は殆ど無い。唯一読み取れるのは「今年中に終戦」だけだろう。

[1]休戦協定締結65年になる今年2018年に、終戦を宣言して停戦協定を平和協定に転換する

 

朝鮮半島としては最大の懸案であろう終戦に向けた具体策が少ないが、おそらく今年中に終戦宣言をして、その中で具体策を盛り込んでいくのだろう。

 

朝鮮半島外からの懸案である核兵器に関して、特に具体策は何もなく、努力目標とも呼べないレベルの文言がある程度。

完全な非核化を通じて、核のない朝鮮半島を実現するという共通の目標を確認した

今の時点で、核兵器に踏み込んだ発言はできないだろう。おそらく、トランプ大統領との会談で核兵器に関する具体策が出てきたら素晴らしいことだろう。朝鮮半島体制を確立するまで核保有は続けるだろう。国際社会での発言力が増すからね。

また、今後の朝鮮半島全体の体制を考慮してなのだろうが、3カ国/4カ国協議に触れている。

 

平和体制構築のために、南/北/米の3か国、または南/北/米/中の4か国の協議開催を積極推進する

3カ国あるいは4カ国という表現が気になる。言い方を変えれば、中国が協議に参加するか否か、ということだ。何故そんな表現を共同宣言に載せたのか?軍事バランス的な観点からなんだろうけどな。

 

ともあれ、共同宣言自体は良いことだろう。今後の展開は要チェック。

次のポイントはトランプ大統領との会談だろうな。