昨日の書き込みの続き。
この雑誌 日経アソシエ2月19日号を買ってきました。で、山田太一氏のインタビューを良く読んでみた。すると、どうやら痛いニュースなどで紹介されている内容が部分的であることが分かる。少々長いが痛いニュースで記載されている元投稿の内容を引用します。
「あきらめるな」とよく言います。だから誰でもあきらめさえしなければ夢がかなうような気がしてきますが、そんなことはあまりない。頑張れば何でもできると思うのは幻想だと僕は思う。成功した人にインタビューするからそうなるのであって、失敗者には誰もインタビューしてないじゃないですか。
人間は、生まれ落ちた時からものすごく不平等なものです。国籍も容姿も選べない。親も子供も選べない。配偶者だって、2、3の候補の中から選ぶのがせいぜいで、それでもいいくらいのものでしょう?つまり限界だらけで僕らは生きているわけで、そんなにうまくいかないのが普通なんです。その普通がいいんだと思わなければ、挫折感ばかり抱えて心を病んでしまう。
僕は一握りの成功者が「頑張れば夢はかなう」というのは傲慢だと思っています。多くの人が前向きに生きるには、可能性のよき断念こそ必要ではないでしょうか。
痛いニュース(ノ∀`) : 【論説】「頑張れば夢はかなう」は幻想、成功者の傲慢だ。そんなにうまくいかないのが普通。「可能性のよき断念」こそ必要ではないか…脚本家・山田太一氏 - ライブドアブログ
この内容が山田太一氏の発言とされているのだが、実際に雑誌の記事を読むと、確かにこの内容が記載されている。しかし、良く読むと、この発言には背景(或いは前提)があることが分かる。
まず、インタビュアーが山田太一氏に対して
Q あれもこれもやろうとしているビジネスパーソンにメッセージをお願いします。
#日経アソシエ2月19日号 p54より引用
と質問(依頼?)しており、これに対する解答が、前述の『「あきらめるな」と良く言います。。。』につながる。なので、山田太一氏は10代や20代の若者に対して発言しているのではない。(中年と比較して)可能性に満ちている若者に対して上記発言はしていないと考えられる。そうなると、上記発言内容も賛否はあると思われるが、自分としては大きな違和感は感じられない。ただ、あまりに夢のない、極めて現実的な厳しい意見だとは思う。
さらに、このインタビューには続きがある。この先が山田太一氏が本当に言わんとしていることだと思われる。
Q 断念して前向きに生きるにはどうすればいいのですか?
A 自分の能力の範囲を遠慮がちぐらいに設定して的を絞っていく。たくさんのことをそこそこできそうでも、一番やりたい1つに絞る。これだったら努力すれば何とかなるのではないかという見極めが30代ぐらいで必要でしょうね。その中で幸福感を抱けそうなところに自分をだんだん限定していく。何でもかんでも引き受けていると、切れ切れのスケジュールをこなすだけになってしまいます。
僕の場合は。。。
#日経アソシエ2月19日号 p54より引用
以降、山田太一氏の実体験に基づく上記内容の例を自身の言葉で説明している。
この発言から、発言の対象が30代であることが分かる。そして、ターゲットを絞り、そこに集中することの大切さを述べている。そして、ターゲットを現実的に選択することが大事であると。良いこと言っていると思います。
これは非常に共感できる。仕事がある程度出来るようになると、あれもこれも引き受けてしまい、結局どれも中途半端になることが多い。自分もある時期そうだった。良い仕事をしようと思ったら、仕事を絞らなければならない。現実的には来る仕事を断るのは難しいのだが、それが出来て、かつ自分の仕事で大きな成果を出せれば理想的なのだ。自分のポジションを確立する、ということなのだろう。
今回の山田太一氏のインタビューに対して、ネットで批判的な意見も多いようだが、やはり情報は一次情報を入手して、自分で吟味してみないことには判断できないことを痛感した。一次情報は大事。そして自分で判断することが大事なのだな。
日経ビジネス Associe (アソシエ) 2008年 2/19号 [雑誌]
- 出版社/メーカー: 日経BP出版センター
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