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梅佳代写真展 in 丸善

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丸善丸の内の3Fで梅佳代の「うめめ」写真展開催中。今週末まで。木村伊兵衛写真賞を受賞する、というウワサもありますね。

木村伊兵衛氏の写真は「けれんみ(外連味と書くらしい)のない自然な写真」と言われます(wikipediaより引用)。けれんみ(外連味)とは『演劇などで俗受けするように演じること、ごまかしやはったり』という意味だそうです。

その思考の流れで、梅佳代の写真は「けれんみのない」写真なんだろうか?と考えてしまいました。撮影時は「けれんみのない」素直な撮影をしているようですが、出来上がった写真は結果として「けれんみ」は多めなんじゃないでしょうか。この辺が梅佳代の評価が分かれるポイントかなと思いました。つまり、梅佳代の写真を素直に撮影した(=けれんみがない)と評価するか、実際は意図的ではないのに結果として意図的な写真に仕上がっている(=けれんみたっぷり)と評価するか、ということなんじゃないかなあ。

けれんみが多いという意味で「けれんみたっぷり」という表現を歌舞伎の批評では使われるようですが、この場合にはあんまり悪い意味ではないようです。この歌舞伎の批評と同じ使い方で映画の批評で「けれんみたっぷり」という表現を使う場合もあるようです。

しかし、それ以外では「けれんみがない」というのは、はったりやごまかしのない素直で飾り気のない、非常に日本的な良い意味で使われる例が多そうです。対して「けれんみたっぷり」は俗っぽいはったりやごまかし、という悪い意味で使われるのようです。

もう一人の木村伊兵衛写真賞の受賞候補に挙がっている(?)本城直季氏の写真は面白いけれど「けれんみたっぷり」なんじゃないでしょうか。

この二人が受賞したらスゴイですね、色々な意味で。