文書生活 : TEXT LIFE

文書のある生活

駄菓子屋のおばあさん

二宮駅の近くにおばあさんがやっている駄菓子屋があって、その店もおばあさんもいい感じにお年を召されていて、とても良い雰囲気だった。もう絵に描いたような「駄菓子屋のおばあさん」なのだ。お店も相当古びた雰囲気で、昭和をそのまま真空パックしたような、それはそれは素晴らしい店だった。おばあさんがあまりに絵になるので、そのうち写真を撮らせてもらおうと決めていた。

当然朝晩はお店は閉まっている。今日はたまたま午後から出社で、時間があったので撮影をお願いに行くことにした。冬至も近いので、昼でも光線が斜めに差し込んで、これは良い写真が撮れるぞ!と勢い勇んでお店に向かった。

ところがお店はシャッターが閉まっていて、張り紙が一枚「ご用の方は下記までご連絡下さい」。ハテ?困った?でもなんか雰囲気が変だぞ?人の気配がない。。。お向かいのお花屋さんが出てきたので、駄菓子屋が定休日かと尋ねると、な、なんと、先月おばあさんはお亡くなりになったとのこと。なくなる二日前まで駄菓子屋を開けていたらしいので、急に具合が悪くなったらしい。なんとも残念無念。もう少し早く撮影をお願いしておけば良かった。。。色々な意味で残念だ。おばあさんがお亡くなりになってしまったこと。貴重な昭和の駄菓子屋が失われてしまったこと。おばあさんのご冥福をお祈りいたします。