文書生活 : TEXT LIFE

文書のある生活

二日目(実は下山後に思い出して書いている)

01時起床。思ったよりも暖かい。風も弱い。天候も晴れ。例年に無いベストコンディション。ウエアはTシャツ+長袖ウエア、CWXのタイツというデューク更家スタイル。シューズは新調したSIRIOのトレッキング。帽子は被らず、ブリオッシュブランジェールのバンダナ。これでも寒くない。

02時登山開始。森林地帯を抜ける。かなりローペースを意識して進む。途中別の登山者にバシバシ抜かれていく。それで良いのだ。留学生T氏はEnglish Onlyなので、Kindergarden Level Englishで登山の極意(笑)を伝授する。六合目手前で日の出となる。雲海からの素晴らしい日の出。だが、今年は神の存在を感じなかった。感動が薄れているのだなあ。そろそろ富士登山も潮時かもしれない、と思った。チョコチョコと休みながらのローペースで進む。

途中、小学生+幼稚園をつれた家族連れに会う。親子共々たいした根性だが、ちと無謀だと思う。今は絶好の天候、暖かいし風も弱い。だが、山の天気は激変する。天候悪化しなければ良いのだが、後にこの悪い予感が当たることになる。

なんとかかんとか10時十合目到着。今年もなんとか登頂を果たした。だが、あまり感動は無い。死ぬほどの疲れも無い。天気が良かったからか、軽い高山病で気分が悪いせいだろうか。山小屋でトン汁を食す。たぶんレトルトだが、疲れた体に塩辛くて温かい食べ物が心地よい。

食後山頂の神社へ。古いお守りを返納し、家族の分のお守りを買う。この辺から天気が怪しくなる。山小屋に戻り一服していると、雨が降り出した。しかも猛烈に寒い。火口を一周するお鉢巡りを実行するか否か悩む。山小屋の人に聞くと、これから天候悪化してくので下山したほうが良いと言う。山小屋裏から火口を見ようとするが、雲がかかり全く見ない。吐く息は真っ白。大粒の雨。ヤバイ予感がする。自分の頭の中で危険を感じて警報が鳴り始める。ふと、途中であった小学生+幼稚園の家族を思い出す。無事だろうか。。。真面目に心配になる。

お鉢巡りは中止して下山開始。大粒の雨と寒さに体が震える。下山して標高が下がれば、気温もあがるだろう目算。とにかく下山を急ぐ。砂走りも一気に下る。足を一歩下げるたびに体中の贅肉が音と立てて軋んでいる。やっぱり筋トレが必要なのだ。自転車ばかりでは鍛えられないのだ。切実に思う。下山しても一向に気温が上がらず、雨もやまない。とにかくツライだけ。雨の中、五合目へ急ぐ。

ヘロヘロになりながら五合目に戻ると。土砂降りに変わる。ぬれながらも駐車場に戻る。雨の中強引に着替えて、車のシートに座るとホッとする。やはり文明は素晴らしい。暖かく、乾燥し、雨にぬれない。そうそうに五合目を車で脱出。外気温は15℃。五合目でこの気温なのだから、山頂は零下だったのだろう。富士あざみラインを一気に下る。それでも気温はほとんど上がらず。御殿場付近でも20℃前後。いったいどうなっているのか。足柄SAに立ち寄り、皆で食事。来年の富士登山は無い、今回が最終回であることを確認する。