文書生活 : TEXT LIFE

文書のある生活

注文していた二重回しが届いた

注文していた二重回しが届いた。予想より早かった。先日からデニムの着物や中古の着物を買っているが、自分は着物が着たいのではなく、二重回しが着たいから着物を買っていたのかもしれない。そう、思えるほど、届いた二重回しは良いものだった。

二重回しとは何か?もうすぐ80歳になろうかという自分の両親に聞いても知らなかった。戦前に流行った外套、コートの一種だ。元々は英国のインバネスコートを着物の上から着られるように、袖を無くしたような作りだ。

ja.wikipedia.org

Wikipediaによれば、二重回し、インバネスコート、トンビには様々な定義があるようだが、概ね以下の通りらしい。

インバネスコート: 袖のあるケープ付きの外套

・二重回し, 二重マント: 袖の無いケープ付きの外套

・とんび: 袖が無く、ケープの背中部分がコートの背中部分と一体化している外套

百貨店の男性用着物売り場にほんの少しだが二重回しが売っていたことがあった。試着させて頂いたが、どうにも締まらない。丈が膝丈ぐらいで、なおかつケープも広がるのでずんぐりむっくりに見えるのだ。これは良くない。他にも中古着物屋で見つけたウールの二重回しも試着させて頂いたが、膝丈ぐらいでシルエットは同等。

ネットで調べると、福岡の美夜古企画という会社が二重回しを注文生産しているとのこと。

www.samue.co.jp

お値段も中古着物屋と同等の価格だったので(それは新品だったらしいが)、こちらで注文することにした。いわゆるオーダーなので、サイズの修正も可能だったので、身長とウエストを入力した上で、丈はロング丈になるように着丈をかなり長めにして頂いた。美夜古企画の二重回しは元々長めのようだったが、かなりギリギリのロング丈にして頂いた。生地は細糸番手のウール生地、色は黒(当然、黒だよねえ)。

で、届いた二重回しを着てみると、丈はバッチリのロング丈に仕上がっている。生地はメルトンのような目の詰まったウール生地だが、細番手なのでしなやかで一見カシミヤ風。ただし生地は薄いので、あんまり暖かくは無さそう。裏地もフルに入っていて動き安い。ボタンは全て比翼仕立て。襟ぐりが若干お大きめだが、二重回しとはそういう作りなのだろう。二重回しというぐらいで、ケープの部分と、コート本体の部分、そしてロング丈もあって、使っている生地の量が半端なく多い。その分、重たいが、ドレープが出て良い感じだ。

思ったほど和風な雰囲気ではないので、カジュアルではないドレス系スーツの上に羽織っても良いかもしれない。カバンは小さいのが欲しいねえ。できれば二重回しに隠れるぐらい小さいのが良い。黒いレザーのちいさなハンドバッグが似合いそうだ。買おう!そしてステッキだな、ステッキは外せないな。帽子はどうするかなあ、古臭いソフトかな。

かなり変な人に見られるだろうが、石を投げたりしないでください。年末のコミケなら周囲のコスプレに溶け込むかもしれないねえ。