文書生活 : TEXT LIFE

文書のある生活

赤いcarrera 2の女

仕事場は有休でお休み。今年から有休消化目標値も設定されたので、前向きに取り組んでいる姿勢も見せねばな。

午後から、ふと、Z4号でドライブに出た。首都高を走っても良かったが、なんとなく伊豆方面に。たまには白浜も良いだろう。上手く行けば、石廊崎あたりで夕日が海に沈むところが見えるだろうし。

しかし、河津の桜が満開で、観光客が詰めかけて、R135が大渋滞になっていたのは誤算だった。伊豆は抜け道が殆ど無いので仕方なくダラダラ走った。それでも日没の30分前には石廊崎を通過して、その先のあいあい岬の展望台に到着することが出来た。

小さな土産物屋を少しみて戻ってくると、赤いporsche carrera 2が止まっているのに気がついた。古いけどカッコイイ。自分もいつかはporscheが欲しいねえ。

Z4号に戻ったところで、一人の女性に声をかけられた。「良い車ですね」とか、なんとか。年は自分より少し年上だろうか。明るく元気で、小柄なスリムな女性でした。少しクルマの話をしていると、どうやら赤いcarrera 2の持ち主らしい。相当な車好きみたいで、ちょっと話が盛り上がった。carrera 2のエンジンとか見せてもらったりして。聞けば、二十数年、このcarrera 2に乗り続けているそうな。

Z4号の話でも盛り上がってきて、RHTを開けたりして見せていたら「ちょっとオープンに乗ってみたい」と言ってきた。一瞬戸惑ったが、まあ、断るのもなんなので、助手席に乗せてその辺を一回りすることにした。悪人では無さそうだが、悪人が悪人ぽい訳は無いが、まあ、たまにはこういうこともあるだろう。その辺を二人でドライブしたりして。15分ほどで戻ってきたら、既に日は落ちて暗くなり始めた。

その女性は伊豆の真ん中あたりに住んでいるとのこと。昔は杉並に住んでいたらしく、carrera 2のナンバーは練馬33だった。自分もそろそろ帰ろうかと思って、西伊豆か、下田~伊豆スカイライン、東伊豆の3ルートを考えていたが、急いで帰る必要もないので、西伊豆を走ってから帰ることにした。

するとその女性は、一緒に走って良いか?と聞いてきた。まあ、断るのもなんなので、一緒に走ることにした。西伊豆はキツ目のワインディングだけど、交通量が少ないのでかなり楽しい。でも、後ろから着いてこられるのは、ちょっとな。。。

しかし、走り出してしまえば、まあ、その女性は運転の上手いことがすぐ分かった。そりゃcarrera 2に二十数年乗っているだからな。自分の後ろを一定距離でピタリと走ってくる。Z4号はそんなに速いわけではないが、ストレート6は伊達じゃない。どんな道でもグイグイと走る。でもcarrera2の方が性能的には数段上なんだろうな。ちょっと羨ましい。

途中、土肥の交差点(左折すれば女性の家が近いはず)ではぐれたので、帰宅したのかと思ったら、ほどなく着いてきた。更にワインディングのデートを続行して、走りを堪能した。戸田の港でクルマを止めて、挨拶をして別れることにした。自分はちょっと休憩して、彼女はそのままだるま山高原の方へ走り去っていった。自分も休憩後に同じルートで修善寺に抜けて、修善寺道路から伊豆縦貫道を抜けて新東名経由で帰宅した。

年はいっていたが、顔立ちもキレイで若いころはさぞかし美人だったんだろう。それこそcarrea 2を買った時は、美人が赤いcarrera 2を駆って都内を走り回っていたんだろう。ちょっと昔の話を聞いてみたくなったが、まあ、その辺は想像で止めておいたほうが美しいんだろうな。あんまり、深入りせずに、サラッと別れるのが良い。

本当は、夕食でも誘えば良かったのかもしれないなあ。ちょっと、向こうも期待していたみたいだけど、コッチは意気地なしなんで。たまにはこういう出会も良いもんだ。