文書生活 : TEXT LIFE

文書のある生活

革細工によるバイク用サドルバッグの自作奮戦記

以前にこんな話を聞いた。「ファッションデザイナーがスゴイのではなく、デザイナーの描いたテキトーなイラストから型紙を起こすパタンナーがスゴイのです」とな。


浅草の問屋さんで買ってきた革で、バイク用のサドルバッグを作ろうと日夜奮闘しております。革を切って、床面処理して、コバ仕上げ、菱目打ちして手縫いするまでは、なんとなく出来るようになった。今までキットも数個作ったし。


しかし、今回作ろうとしているサドルバッグがあんまり進展していない。未だに型紙も出来てない。その原因は「型紙が無いから」に尽きる。確かに米国製のサドルバッグの型紙は入手したけど、この型紙に載っているサドルバッグは小さすぎるのだ。自分としてはもう一回り大きいのが欲しいのだ。


なので、今回は自分でサドルバッグをデザインして、設計して、型紙を作ろうとしている。サドルバッグをデザインするために、まずは現物観察から始めた。大型のバイク用品店にてサドルバッグを観察。今までも色々なサドルバッグを観てきたけど、自作を前提に観察するのは初めて。革の厚さとか、縫製方法、大きさ等々、色々と勉強になる。デグナーのサドルバッグのカタログがあったので頂いた。これが後ほど非常に役立つことになる。


次は、自分でどんなサドルバッグが欲しいのか?自分のサドルバッグを決めていく作業に入る。愛車ど・ラスタ号を眺めつつ、サドルバッグのイメージを膨らませて、思いつたことをメモしていく。ある程度イメージが出来てきたら、スケッチを描いてみる。奇抜なサドルバッグはいらないので、質実剛健で、デザインはシンプル目になる。なのでスケッチは比較的簡単に仕上がって、あとはサイズやパーツの位置などを決めれば、なんとか型紙が作れるだろう。


ただ、サイズは位置を決めるのは想像では難しいので、方眼の工作用紙で、実物大のモックアップを作ってみた。米国製の型紙とデグナーのカタログに載っている商品写真と縦横高さのサイズを参考にしつつ、ど・ラスタ号の取り付け場所の現物を確認しつつ、大まかなサイズを決めてみた。それをもとに工作用紙でモックアップを作り、ど・ラスタ号に合わせながら、頭の中のイメージを形にしようとしてみた。


フラップを固定するベルトの太さや位置を決めるにも、正解は存在しないので、ベルトを工作用紙で作って、モックアップにあてながら、少しずつサイズや位置を決めて、決まった数値をモックアップに直接書きこんで、型紙作成の情報をあつめてきた。


ベルト通し一つとっても、個数、場所、サイズも考えなければならない。革が厚いので、同じ厚さのベルトが通るのかどうかは、買ってきた革の端っこでベルト通しのサンプルを作って確認。革は少し伸びるので、ピッタリ目でも多少の余裕があるみたいだ。バッグのパタ付きを抑えるために、背面にDカンをつけたいんだけど、その位置も考えている。テキトーで良いのかもしれないが、なにぶん慣れないので、テキトーに出来ないんだよね。


バイクへの固定方法は左右のサドルバッグがつながっていて、つながる部分を助手席シートの下に挟みこむか、バイク後部のサイドフレームにベルトで固定するか、の二通りぐらいしかない。今回は左右つなげて助手席下で固定することにした。


ただ、そうなると、型紙を起こす際に、どの部分を一枚革で取るかが難しい。出来れば力の掛かる場所は一枚革で強度を稼ぎたい。例えばフラップを独立して作成して、バッグに後付にすると、その継ぎ目から雨が入り込む可能性も考慮したい。バッグのサイドパネルとフロントやバックのパネルとの固定方法も考えて決めないと型紙が作れないのだ。他にも色々と考えなければならないことが残っている。それらが片付かないと型紙が作れないんだよね。このペースだとGW中に型紙が出来上がれば御の字だな。


明日はサイドの固定方法は革の端っこでテストしてみて、上手い方法を探り出さないとな。