文書生活 : TEXT LIFE

文書のある生活

WIRED JAPANのバックナンバー

某事業所で所用が終わり、少し空き時間が出来たので、久しぶりに図書室の地下書庫へ。たいした蔵書の無い会社の図書室だが、雑誌WIRED JAPANのバックナンバーが全て揃っている。素晴らしい!あんまり時間がなかったので、創刊号と中間、そして最終号を閲覧用机に運ぶ。創刊号は1995年、最終号は1998年。実質4年間。斬新なレイアウトと色使いが好きだった。


ページをパラパラとめくっていると、PC/Internet/Mobile/Media/Virtualといったキーワードが目に入る。これらの単語に特別な意味を持たせていたんだな。古き良き時代、と言うつもりは無いが、未来を語ることが当たり前だったような気がする。それが今無いのが少し寂しい。


WIRED JAPANには良い情報が集まっていた。ココにしか無い情報が沢山あった。それが価値だったような気がする。当時は「情報の集まる場所」ってのが色々とあったような気がする。音楽だったら六本木WAVEとか、西麻布YELLOWとか。ファッションだったら裏原宿とか。そこに行けば、情報が手に入る、そんな価値ある場所があったな。


先日の小西君のインタビューでもCDショップに触れていた。

小西:当時はまだネットがないから、CDショップがコミュニケーションの場になってたよね。お客さんだけじゃなくて、アーティストも来てくれて。POPも「今これを買わなきゃ!」って気にさせるものも多くて、よくダマされたよ(笑)。

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じゃあ、現在はどうなのか?といえば、情報がネットで流れて、情報が広く遍在して、いつでもどこでも誰でも情報に触れられる。その反面、情報の集まる場所の価値が低くなったような気がする。高いレベルで平均化されたような雰囲気か。


良い情報が誰でも手に入るので、皆、同じような戦略、アプローチ、アウトプットを出してくるような気がする。言い換えれば、売れるもの、ウケるモノしか世に出さない、というか。みんなおんなじように良いので、差別化が難しくて、お客さん(受け取る側)が飽きてしまうんじゃないかな。


X BRAND - 雑誌の最新号の記事が読めるなんて試みもあるけど、情報が集まる価値ある場所をもう一度作ろうとしているのか。発想が90年代だ。これはコケると予想しておく。そして、コケる時には、これと提携しているいくつかの雑誌も休刊、廃刊になるだろう。


こうやって、色々と考えてみると、WIRED JAPANが休刊して10年以上が経過して、ずいぶんと時代が変わったと思う。今が過渡期なのではなく、昔からずっと過渡期なんだろう。変化の速度はあがり続けて来たけど、ココ数年でだいぶ速度も落ちて来たような気もする。そろそろ何か来るかもしれない!と、少し期待しています。