文書生活 : TEXT LIFE

文書のある生活

つま恋

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来年夏に吉田拓郎とかぐや姫が再びつま恋で野外ライブをやるそうだ。70年代フォークを知る人には「つま恋」という場所は特別な場所だ。80年代に入りニューミュージックが台頭してきてからは、「つま恋」の存在はポプコンの本選会場という意味に変わったと思われる。自分の年代だと70年代フォークとつま恋はリアルタイムではなく、歴史として後日知っただけだ。
先日発売になったDVDはこれの前振りだったのだな。

コンサート イン つま恋 1975 [DVD]

コンサート イン つま恋 1975 [DVD]

<<<以下はフィクションだと思ってください>>>

70年代フォークがすごくかっこよく思えて、その活動に参加できなかったことが悔しかった。それで自分もフォークギターを抱えて70年代の泉谷しげるやら、初期のRCサクセションを好んで歌っていた。RCの初期ベスト盤のタイトル、HARD FOLKという言葉にシビレていたんだな。

高校に入学し、当然のようにフォークソング部に入部。2年の春には部長になっていた。男子部員は自分だけで、残りは全部女子だったからだ。部員も少なく自分の学年は6人で、そのうち活動していのは自分を含めて4名。Hさん、Iさん、そしてEちゃん。放課後に部活が終わると、良くみんなでお茶したもんだった。

3年生になって部活を引退した。それからは放課後は部活じゃなくて、図書館で受験勉強することが多かった。Eちゃんもよく一緒に勉強していた。時々煮詰まってくるとEちゃんが「ねぇ!お茶行こうか?」と声をかけてくる。で、二人で学校を抜け出して近所の喫茶店に行くのだった。

EちゃんはI先輩が大好きで、でもI先輩には最愛の彼女がいて、自分はEちゃんが語るI先輩の話を聞くのが辛かった。そんな自分もIさんにフラれたてたりして、お互いに人生の苦さを少しだけ味わい始めた頃だったんだろう。

卒業して二人とも浪人。予備校に通いつつ、時々電話したりしてた。学部は違うが同じ大学を目指していて、二人とも合格したらデートしようと冗談半分に約束していた。

運命の神様か、はたまた努力の甲斐あって、二人とも同じ大学に合格することが出来た。入学準備やらなにやらで忙しかったけど、Eちゃんはデートの約束を覚えていてくれて、大学の入学式の前にそれは実現した。内容はもう忘れてしまった。ただ一緒に"Out of Africa"という映画を見たことは覚えている。

大学に入学したら、目もくらむような新しい生活が始まった。なんだかんだと新しい毎日に流されているうちに、学部が違うと校舎の場所も違うので、自然とEちゃんとは疎遠になってしまった。自分にもEちゃんにも新しい生活が始まっていたんだろう。

大学を卒業してすぐの同窓会でEちゃんと再会した。ちょっと照れくさかった。